高速バスで鮮魚輸送 トランク活用、収益増へ ちばシティバスと東安房漁協

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房総で水揚げされた鮮魚をバスのトランクに積み、千葉まで運ぶ=千葉市美浜区

 客が乗る高速バスのトランクに鮮魚を積んで輸送する「貨客混載」の取り組みを、ちばシティバス(千葉市美浜区)と東安房漁業協同組合(南房総市)が始めた。全国的にも珍しい取り組みで、同社はバスの空きスペースを活用して輸送料が得られ、漁協側は他の運送業者と比べ安く魚を輸送できるメリットがある。現在は週2回程度の輸送だが、今後周知を進め、利用を促す考えだ。

 貨客混載を行うのは同社が運行する高速バス・千葉館山線で、午前10時45分ごろに南房総市の千倉港を出発し、午後1時半ごろに美浜区の同社本社に到着する便。魚の注文があると、同漁協担当者が千倉港バス停で発泡スチロールの箱に詰めた魚をトランクに載せ、同社本社で千葉県漁連担当者が降ろして注文元に配送する。

 扱う魚はヤガラやヒラマサ、カンパチなど。現在、千葉市内のホテルや県漁連直売所などから注文を受け、週2回程度輸送している。今後、同市を中心に「スーパーなど大型の需要が出てくれば輸送頻度を増やす」(同社担当者)考えだ。

 貨客混載は同漁協の提案で実現。市場を介さず、鮮魚を早く飲食店などに届けるには普段の輸送とは異なる別便のトラックが必要だが、コストが高いのがネックだった。高速バスを利用すればトラックより安く運べるため、魚の販売価格も低く抑えられるとして導入を打診。同社も、空きスペースを有効活用して輸送収入が得られることから提案を受け入れた。

 昨年7月に試験運行した結果、魚が傷んだり、トランク内に臭いが移ったりする問題が起きなかったことから、同12月5日から本格的な運行を始めた。

 同社の林田暁社長は「貨客混載を通じて房総産の魚の消費を増やし、地域活性化に貢献したい。千葉市の人に魚のおいしさを知ってもらい、地元で食べたいという人が増えれば、高速バスの利用者増にもつながる」と期待する。