急増キョン駆除へ 千葉県が専門職員を採用

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県内の山中で見つかった野生のキョン(千葉県提供)

 特定外来生物「キョン」の急増による農業被害の拡大を受け、千葉県は1日、キョンの駆除に特化した専門職員を採用した。県内に推計約5万頭が生息するのに対し、年間捕獲はその20分の1にとどまっており、ノウハウを持つ同職員を中心に効果的な捕獲態勢を構築し、増殖や被害を抑える狙い。

 採用されたのは元館山市職員の安田邦夫さん(53)=同市。キョンの多い県南部の県出先機関で、監視カメラによる生息状況調査や新たな捕獲方法開発、地元猟友会への捕獲技術指導などを担う。任期は3年。

 市職員としても有害獣対策の担当歴があり、市退職後の3年間は農家の立場で捕獲に従事。実際にキョンを捕まえたこともあり、経験を生かせると応募した。

 県庁での辞令交付式で玉田浩一県環境生活部長は「期待している」と激励。安田さんは「キョンは足が細く、軽いので、わなから抜けたり、わなが作動しないことも。従来のわなだけでない効果的な捕獲方法を見つけたい」と意気込んだ。

 シカ科の小型草食獣のキョンはもともと中国や台湾に分布。県内では勝浦市にあった観光施設「行川アイランド」(2001年閉園)から逃げて野生化、繁殖したとみられ、県の推計で生息数は01年度末時点の約千頭から15年度末には約4万9500頭と爆発的に増加。一方、16年度の県の捕獲実績は2400頭。

 県内で野菜や稲を食い荒らす農業被害額は16年度が132万円で、前年度から37万円増えた。